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東京高等裁判所 昭和35年(ラ)404号 決定 1960年7月18日

抗告人 鈴木泉子

相手方 鈴木儀三郎

主文

原決定中七千三百三十五円とあるを七千三百五円と変更する。

理由

本件抗告理由の要旨は、原決定添付の計算書記載の(一)昭和三十年一月十四日付期日変更に対する訴訟費用額は、本件相手方代理人の都合により変更したものであるから、抗告人の負担すべき訴訟費用ではない。また、同計算書記載の(二)証拠物写書記料二四枚(三六〇円)は、記録を調査するも十六枚の写しかなく、二四枚分(三六〇円)と決定したのは不当である。以上の理由により抗告するというのである。

そこで原告本件抗告人、被告本件相手方間の千葉地方裁判所八日市場支部昭和二十九年(ワ)第一〇三号損害賠償請求事件の記録をしらべてみると、

一、被告(本件相手方)訴訟代理人は、昭和二十九年十二月十四日の口頭弁論期日に出頭して次回の口頭弁論期日を昭和三十年一月十八日午前十時と告知をうけながら、同期日の変更を必要とする事由につきなんらの疏明もしないで、同月十四日付期日変更願と題する書面を提出したまま、同期日に出頭せず、同期日に出頭した原告(本件抗告人)訴訟代理人の申請によつて同期日が延期されたことを認め得るので、同期日の変更は被告(本件相手方)訴訟代理人の責に帰すべき事由に基因するものといわざるをえない。したがつて原決定が右願書に貼用された印紙の費用額金三十円を敗訴者たる原告すなわち本件抗告人の負担に属する訴訟費用と計上したのは失当である。

二、右事件において、被告(本件相手方)訴訟代理人は、証拠として、乙第一号証、第二号証の一、二、第三号証の一ないし四、第四号証の一ないし三を提出し、その証拠物写合計二十四枚を作成し、うち十二枚は裁判所に提出し、残り十二枚は原告(本件抗告人)訴訟代理人に交付したことが認められるので、この点に関する原決定の計算誤りはない。

以上の次第で、原決定が本件抗告人の負担すべき訴訟費用額を金七千三百三十五円と計上したのを金七千三百五円と変更することとし、主文のとおり決定する。

(裁判官 柳川昌勝 坂本謁夫 中村匡三)

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